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上富の顔・日の出公園の惨状

公開日: : ラベンダー豆知識

昨日(6/10)32.4℃の最高気温を記録した上富良野は、道内で1位、全国でも4位だったということですが、今日も気温がぐんぐん上がり31.9℃を記録しています。「今日も暑いね」が挨拶がわりになっていますが、加えて「雨が欲しい」というのも切実になっています。

多くのラベンダー園ではラベンダーシーズン終了後も花を見せるために一年草を植栽しています。遅霜の心配のなくなる5月下旬以降に一気に植えてしまいますが、植えるときだけは晴天が望ましく、植え終わったらひと雨もふた雨も欲しいところです。植える前のポット苗はどっぷりと水につけるので、数日雨がないのはどうってことはありませんし、夜の冷え込みがあって朝露が降り、日中も曇天ならそれほど心配しなくても活着(根が張ること)します。

しかし今年はこの20日間ほどは雨らしい雨もなく、日中の気温が高い状態が続いていますので、植えられた苗にとっては過酷な状況です。潅水設備の用意ができる場合はまだいいですが、それでも場所によってはせっかく植えた花が枯れたり消えたりという被害が出る可能性があります。これは畑作物全般に言えることで、人参の発芽不良とか玉ねぎの生育不良などを招く恐れがあるという状況です。

一方ラベンダーは乾燥を好む「木」ですから直接的な影響はないでしょう。強いて言えば丈が短くなるかもしれないということぐらいでしょうか。観賞する上でのデメリットは特に思いつきません。

近況報告はこれくらいにして、本題に入ります。非常に心が重いです。昨年の深山峠に引き続き、また、上富良野町はやらかしました。

参照 ⇒ すくすくと成長していないラベンダーオーナー園


昨年の深山峠とまったく同じ状況が日の出公園でも起きています。前回の4回目の見頃予想の記事が10日前ですが、この時点では重機が通路を造成中で、まだラベンダーは植えられていませんでした。新芽の伸び始めたこのタイミングでラベンダーを植え替えるなどということは、絶対にありえないことですので、今年はキカラシとかヒマワリで一夏をしのいで、ついでに緑肥に利用し、秋に植え替えを行うだろうと想定し、後日改めて町や観光協会に問い合わせてみようと考えていましたが、まったく甘い見通しでした。


うだるような暑さの中、ショボショボと水撒きをされていました。ただ枯れるのを待つわけにもいかず、今できることを必死にやっているということでしょうが、焼け石に水です。どうせ枯れます。雨が降らなかったから運が悪く枯れるのではなく、新芽が伸びた後に植え替えたので枯れるべくして枯れるのです。逆に言えば雨が平年並みにあったとしても枯れます。新芽が伸びてこれから花をつけるという最悪のタイミングで植え替えを行っているからです。

昨年の深山峠の失敗から何も学ばなかったのでしょうか。「水が足りなかったからという程度の認識では同じ過ちを繰り返す」と指摘した昨年の記事が的中してしまったことは残念でなりません。

今回、町職員のKさん、Oさんにお忙しい中お話しをさせていただき、日の出公園に対する思いとか、ラベンダーについて勉強されていることとか、町の観光をなんとか盛り上げていきたいとか、日焼けした真っ黒い顔からそのような情熱は伝わってきました。失礼なことも言いましたが誠実に返答されていましたし、3年先、5年先を見据えたときに「この人に任せたらなんとかしてくれるかな」という期待は持ちました。だからといって今回の件を大目に見ることはできません。「ケチョンケチョンに書きます」とお伝えしたとおりです。

富良野地方にラベンダー園は大きいところで10ヶ所ほどありますが、民営のところと公営のところがあります。民営の代表格は富田さんですが、彩香の里の佐々木さん、かんのファームの菅野さん、フラワーランドかみふらのもそうですが、個人、あるいは民間企業が運営しています。これらの民営ラベンダー園は常に閉鎖の危機と隣り合わせです。駐車場無料、入園料無料が当たり前ですし、ラベンダーがあって花があって、お客さんが立ち寄って満足してはじめて、売店の売り上げに結びつきます。夏のシーズン3ヶ月で家族と従業員を養うために必死です。

一方で公営のラベンダー園は日の出公園もそうですが、北星山(中富良野町)とか清水山(富良野市)とかは公園の整備の一環として位置していて、高齢者の雇用確保の側面などもありますので、観光客が来ようが来まいがはっきりいえばどうでもいいわけです。今回日の出公園の整備に2,330万の予算が付きましたが、それだけの資金を民営のラベンダー園が銀行から調達できるでしょうか。もちろん利息を付けて返済しなくてはなりません。失敗なんて絶対に許されません。

日の出公園に付いた予算2,330万円の出どころは税金です。返済の必要はありません。失敗しても「雨がなかった」と言い訳してまた予算を付けてもらうだけです。反対する議員もいないし、住民監査を請求する町民も出ないでしょう。町も観光協会も誰も責任は取りませんし、また同じ失敗を繰り返すでしょう。観光客の上富良野町離れはどんどん進み、ラベンダーの町の称号は中富良野町に完全に奪われ、町は寂れる一方です。

私は上富良野町民です。移住者ですから生まれながらの「かみふっこ」とは違いますが、町民の一人として、自慢できる町であって欲しいと願っています。このブログのタイトルの背景画像は数年前の日の出公園です。「わーすごい」という感動があって、この真ん中の道が一旦消えてまた出てくるところなんかが気に入って使用してきました。思えばそれが最後の年で、翌年からはどんどんラベンダーはショボくなっていきました。

この日の出公園の復活を心から願うからこそ、敢えてこのような記事を書くことはご理解いただきたいと思います。責任の所在についてはっきりさせた上で、二度とこのような失敗のないよう、どうすべきか町としての見解を示してください。上富良野町を訪れようとしている観光客に対して、嘘や誤魔化しのない、誠意ある情報の提供をお願いします。


技術的なことは昨年の深山峠の件で書きましたので、それに補足する形で、今あるラベンダーをどうすべきかKさんOさんが読まれていることを前提に提案させていただきます。

これから水をやり続けたとします。それでもやはりラベンダーはどんどん枯れます。よくて生き残るのは半分、私の予想ではほぼ全滅です。枯れたら当然抜くことになりますので、その手間を今のうちにやってはどうでしょう。つまり水やりをしやすいように一部の区画にまとめます。株間畝間に3株ずつぐらい足せば今の植栽面積の十分の一くらいになります。

根が水を吸えていないのは確かですから、水を与えるしか方法はないのでしょう。一箇所に集めて集中的に水を与えて効果を上げ、生き残る確率を上げるべきです。植え替えは日中を避けるべきですし、植え穴にドブドブと水を落としてからがいいです。可能なら寒冷紗をかぶせて直射日光を和らげ養生したいところです。

今伸びている新芽のうち、お辞儀しているのは皆枯れます。緑の葉の部分を残した上で新芽をハサミでカットし、水の要求量を少なくして新たな芽が出るのを待つ。新芽が伸び始めたら活着した証拠ですから一安心です。

空いたところはヒマワリかキカラシで9月に満開。緑肥としてすきこみし10月に再度移植。

思いつくまま羅列しました。どうせやらないと思いますが。何株か持ち帰って日陰で養生しながら実験してみてはどうでしょう。やらないとは思いますが。

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Comment

  1. どこかの元議員 より:

    いい話だ。私が議員のころ同じようなことを言ってきた。ただし他の議員は誰一人として同調しなかった。だから議員を一期でやめた。わたしの小さな一揆だ。税金を投入することに鈍感になっている。介護も教育も病院もそうだ。老人、子供、病人は税金を食う側の人たちにとっては単なる金儲けの手段、小道具でしかない。例えば個人医院は医師一人一日35人の診察で運営できるが、公立病院は医師一人一日80人を診察しても赤字だ。補填は税金だ。この体質は全国共通だ。

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