富良野で見られる品種
ラベンダーはいくつかの系統にわかれますが、富良野のラベンダーはスパイカラベンダーグループのコモン(イングリッシュ)系に属します。
コンテンツ
北海道で選抜された4品種
特用作物として栽培が奨励され、農業試験場や大学の研究機関によって積極的な品種改良が行われました。番号のうたれた数十種類の中から、栽培のし易さ、油糧の多さ、品質のよさなどの条件のもとに選抜され、名前が付けられて普及し現在に至るのは以下の4種類です。
濃紫3号
開花前のつぼみ(正確にはガク)から青紫色が濃く、観賞用には圧倒的に人気があります。一般には早咲きと呼ばれ、生産者は3号と呼びます。耐暑性もあるとされ、売られている鉢植えの多くはこの品種で、ドライフラワーなどへの加工にも多く利用されます。性質的には強健で刈り込んでも秋までにもう一度花をつける、二季咲きの性質が強い特徴があります。
他の品種のような愛称が付けられずに現在に至っており「のうし」と読むのが普通で、これを「こいむらさき」と読ませる動きもありますが一般的ではありません。
おかむらさき
ほとんどすべてのラベンダー園で植えられ、多くの面積を占めます。他の品種に比べて見頃が遅れるため遅咲きと呼ばれます。また生産者は4号と呼びます。花茎・花穂とも長く、もっともラベンダーらしい香りとされドライフラワーより多くポプリに加工されます。富良野を代表する品種で、富良野のラベンダーといえばこの「おかむらさき」を指すといえます。
ようてい
オイル生産を目的として選抜された優良品種のひとつですが、栽培面積はあまり多くはありません。赤みを帯びるのが特徴で、蝦夷富士と呼ばれる羊蹄山から名づけられたと思われます。
はなもいわ
こちらも優良品種ですが、白っぽく見えるため観賞用には不向き。他のラベンダーと並べたときのコントラストで映えますが、単独ではあまりインパクトはありません。札幌市南区の藻岩地区から名前が付けられたようです。
4つの品種が選抜される経緯
昭和12年、曽田香料(株)によってフランスから持ち込まれた種が富良野のラベンダーの起源とされています。農業試験場等等で
昭和25-32年曽田香料岩内農場「有料系統選抜試験」
ラベンダーの在来種の中より優良な新品種を育成することを目的に行われた試験がもととなっています。開花時期の早、中、晩を主眼とし、生育良好な株を各々10系統、花色の特に特徴のある4系統、あわせて34系統の選抜を行う。
挿し木で増やした後、油の品質、収油率、収油量、生育の良否、開花時期等を主眼として行い、当初34系統であったが同一品種と思われる系統は除き20系統となる。
早咲1-1、早咲1-3、早咲2-1、早咲2-2、早咲2-3、早咲2-4
中咲1-1、中咲1-3、中咲2-1、中咲2-2、中咲2-4
晩咲1-1、晩咲1-3、晩咲1-4、晩咲1-5、晩咲2-1
極晩、極紫、紅紫、白紫
4種以外のラベンダー
特に民営のラベンダー園では、主に花期をのばす目的で4種以外のラベンダーも植えられています。
お盆まで見られるラバンジン
遅咲きのラベンダーが見頃を過ぎた8月上旬から中旬にかけて見頃となるのが交配種であるラバンジンです。面積はごくわずかですが、ファーム富田、彩香の里(ともに品種名不明)かんのファーム(グロッソ)に植えられています。
ホワイトやピンクのラベンダー
彩香の里にある見本園で植えられています。
実生で育てたラベンダー
ほとんどすべてのラベンダー園で、挿し木で増やされたラベンダーが植えられていますが、中には種から育てたラベンダーを栽培しているラベンダー園も存在します。もっとも広い面積で見られるのがかんのファームです。上富良野市街地から十勝岳温泉へ向かう道道291号線沿いの一部、上富良野町パークゴルフ場などに植えられています。
公開日:
最終更新日:2014/03/17