降雨に左右される見頃期間
ラベンダーが見頃のピークを迎えた後、いつまで長持ちするかは雨次第。ラベンダーの生育を通してどのように見頃を迎え、その後枯れていくか見ていきます。
コンテンツ
濃紫3号(早咲き)で見る移り変わり
一番濃い色の開花直前もすでに見頃
早咲きはその名の通り紫が濃いわけですが、それは花びら自体ではなく萼(がく・一般的には便宜上つぼみと表現します)の部分です。
従って開花を始める10日ほど前から萼が生長しつつ色が濃くなっていき、開花直前に「濃紫」のピークとなります。
花が咲いていないということはハチが飛んでいないことを意味します。蜜を集めることに必死なミツバチが人に危害を加えることはまずありませんが、どうしても羽音を聞いただけで身震いするという方はこの時期に訪れるとよいでしょう。
ドライフラワーへの加工のベストな刈り取りのタイミングは、この開花直前のもっとも充実した時期です。毎日の観察で、パラっと開花が始まったのを確認して一斉に刈り込みを行います。
開花直後から5分咲きが見頃のピーク
早咲きは萼の色より花びらの色の方が薄いため、開花が始まるとボリューム感は出ますが色自体は薄くなります。
5日で5分咲きほどになりますが、多くの年ではこの状態が見頃のピークとなります。この間に雨が当たってもまだ色が落ちることはありません。
ただし前述したように、このタイミングで良質なドライフラワーにするには手遅れで、ポロポロと花が落ちたり乾燥時に花が変色したりします。ポプリにするのはOKです。
5分咲きから満開へは下降線
5分咲きを過ぎたあたりから、最初に開いた花びらがその寿命を迎えます。つまりこのタイミングで雨に当たったり、濃霧や朝露といった空気中の水分が多い状態に当たると茶色くふやけたり黒ずんだりして、見頃の度合いを下げてしまいます。
枯れた花びらが桜のようにハラリと落ちてくれればいいのですが、萼の先端に留まるために、全体的に黒ずんでいきます。これから咲く花(萼だけの状態)と今咲いている花、咲き終わった花が共存する形となり、これから咲く花のない状態=満開となりますので、満開時は見頃のピークを過ぎていることになります。
満開以降は雨の度に見頃度は落ちる
雨の降り方や量にもよりますが、直線的に見頃のピークに向かうのに対し、階段状に一段、また一段と雨に当たる度に見頃の度合いを下げていきます。
花びら同様萼の部分の色も黒ずみますので全体的に黒っぽく変化していきます。
雨の後に晴れの日が続いた場合、一段下がったはずの見頃度が再び上がったように感じたこともありましたが、7月下旬から8月上旬は日を追うごとに見頃度を下げると思っていいでしょう。
おかむらさき(遅咲き)の場合
遅咲きの場合は萼自体の色が薄いため、早咲きのような開花の進行具合と見頃の度合いのズレはなく、開花と見頃はほぼ合っていると言えるでしょう。
雨が当たる度に見頃度は同様に下がりますが、黒ずむというより色が褪せるという印象です。
早咲きと比べて基本的には開花は5日、見頃は10日遅くなりますので、雨の降るタイミングによって見頃の差が開くこともありますし、雨が無ければ早咲きが見頃を維持し、遅咲きがそれに追いついて遠目からは同じような色になる年もあります。
見頃のイメージ
公開日:
最終更新日:2014/03/31