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「ラベンダーに関する試験成績集」

公開日: : 「試験成績集」

この本は昭和44(1969)年に「ラベンダー協議会」によって編纂された大変貴重な資料集です。北大農学部、曾田香料(株)、農業試験場、栽培農家の方々等多くの関係者の手によって、戦前から行われた様々なラベンダーに関する試験を1冊にまとめたものです。
ラベンダーに関する試験成績集
昭和12年、曾田氏がフランスからラベンダーの種を入手することに始まった、日本のラベンダーの歴史がここに詰まっています。まさに手探りの状態で試験を重ね、品種を選抜し、質の高い純国産ラベンダー油の生産に情熱を燃やした研究者の汗と涙の結晶といえるでしょう。

「序」に農務部長氏が以下のように記しています。

生産者の努力をはじめ、関係機関が一丸となつての試験研究と適切な生産振興対策の実施により、年々、作付面積が増加するとともにラベンダー油の国内需要も年間70トン以上に達するなど着実に伸長していることは、まことにご同慶にたえません。
しかしながら、ラベンダーは、経済情勢、市況等にきわめて敏感な作物であり、特に貿易自由化の促進にともなつて、諸外国と競争していかなければならない立場にありますため、常にその動向をは握するとともに、栽培にあたつては一層の生産性の向上をはかることが肝要であります。
本書は、栽培および蒸留についての好適な参考書であると考えられますので、十分本書を活用され、ラベンダーの栽培が益々発展されるよう念願し序といたします。

またラベンダーを日本に持ち込んだご本人、曾田政治氏も”Lavender Hokkaido”と題して寄稿しています。

我国のラベンダー油の需要量はラバンデイン油を含めて、年間60~70トンでありますが、そのほとんどは輸入品でまかなつている次第であります。この様な状況ですので私はラベンダーをもつともつと増産していただきたいと願つております。
北海道で生産されるラベンダー油は品質が優れておりますので、海外品と競争して経済性さえあれば、国内の需要の大半をまかなうことは勿論、海外への輸出も可能であると考えます。

この本が刊行された当時は、まさにラベンダーの黄金時代であったことがうかがえます。

歴史を振り返ってみますと、富良野地方のラベンダー栽培はこの本がまとめられた翌、昭和45年をピークに作付け・オイル生産量とも減少の一途を辿ります。研究者、栽培農家の並々ならぬ努力が続けられたにも関わらず、時代の流れには抗しきれず、昭和52年にオイルの買取が中止されることで、商業栽培の歴史に幕を閉じることになるわけです。

因みにこの資料は道立図書館に所蔵され、館内利用のみ許可されています。町立図書館に取り寄せてもらい(持ち帰ることができないため)足繁く通ってメモしました。多角的に様々な試験が行われていますが以下の内容を主に取り上げます。

  • 品種育成に関する試験
  • 増殖に関する試験
  • 栽培適地に関する試験
  • 肥料に関する試験

現在このような官民あげての試験はまったく行われていません。この貴重な資料を埃に埋もれたままにせずに、全国のラベンダー愛好家の方々と情報を共有する中で、より深く、楽しく、新たな地平でラベンダーの栽培に情熱を傾けていきましょうと呼びかける意味も込めて、それぞれの試験結果に考察を加えて、数回に分けてお伝えしていきます。

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