見頃予想(11年5月中旬版)
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ラベンダー見頃予想
春の農作業は軒並み遅れているようです。雪融けは平年並みだったものの気温が低めに推移したことに加えて、平年よりも雨が多かった影響で畑にトラクターが入れない状況が続きました。タマネギや馬鈴薯など、作物によっては半月ほど作業が遅れているようです。
田植えは今が最盛期。例年より少し遅いようですが十分挽回可能です。一方でこれから作付けが始まる大豆などはまったく影響ありません。「蒔かぬ種は生えぬ」の言葉どおり、北海道では今が勝負時。冬は暇を持て余している農家さんも夜通しトラクターが動くのがこの季節です。ウチも自給率の向上を目指して、特に今年は穀物を多めに蒔いてみました。
さてラベンダーの見頃予想ですが、今年は旬(10日)ごとにデータを比較してみることにしました。今後は6月1日、11日、21日と7月1日に前日までの旬ごとの日平均気温の積算をお伝えする予定とします。
さっそく5月20日までのデータを見ていきます。括弧内は1,130℃に達した日。
- 04年・・・353.0℃(7/4)
- 05年・・・263.0℃(7/11)
- 06年・・・312.0℃(7/10)
- 07年・・・325.0℃(7/6)
- 08年・・・441.0℃(7/4)
- 09年・・・410.0℃(7/4)
- 10年・・・312.0℃(7/5)
- 11年・・・321.0℃
- 平年・・・379.0℃(7/5)・・・誤差修正値
このデータからわかることとして、今年も今のところ寒い春だったと言え、花冷え深刻と報道された昨年と似ています。昨年はこの後気温が上がったことで、結局は基準値としている早咲きの7月5日の開花が確認できましたが、まったく同じ積算温度だった06年は5日遅れとなりました。
昨年並みの暑い夏がやってこない限り、現時点では平年値と58℃の差がありますので、3日遅れの7月8日が開花予想日となります。これまでの記事の繰り返しですが改めて以下をご確認ください。
1点目。ラベンダーの見頃は一般的に「旬」を用いた曖昧な表現で、数日見頃が前後してもこの幅内に収まってしまうという意味では毎年「平年並み」。
2点目。当ブログでは独自に開花基準日を設定し、早咲きは7月5日、遅咲きは7月10日。見頃のピーク期間は早咲きは7月10日、遅咲きは7月20日を中心とした2週間(言い換えると早咲きは7月3-17日、遅咲きは7月13-27日)と定義。
3点目。7月上旬の日平均気温は20℃弱。1日前後するということは積算温度で20℃の差があることを意味。
4点目。開花後の見頃期間は雨の降るタイミングとその降り方で決まり、雨がなければそれだけ見頃期間は延びる。
次回の予想は6月1日。別の話題も提供できるようにネタを探さねば。
- 2011年4月25日 切断面でわかる枯れ具合
- 2010年4月26日 マルシェとカンパーナとついでに花畑
- 2009年4月22日 十勝岳アートビューまもなくオープン
- 2007年4月24日 GWに富良野に咲く花
- 2006年4月30日 富良野−旭山動物園ルート
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Comment
8cmポット苗と言う事で、かなり小さくて難しいかも知れませんが、実験的に今年何株か植えて見ては如何でしょうか?
我が家では種から育てたチビ苗を、昨年の秋に庭に植え付けましたが結構丈夫に育っていますよ。
植え付け後、一週間で2〜3回雨が降りそうな時を狙うと良いかと思います。
それから管理人さんが前の回答で仰っていた事と重複しますが、その土地や栽培条件に合うかどうか?複数の品種で試して見た方が間違いが無いと思いますよ。
ラバンジンならグロッソ、イングリッシュならヒッドコートが全国的に手に入り易いです。
わかりました。 ありがとうございます。
先日切り取りました花穂を取り除いた部分を緑枝挿し(?)してみました。 ホンノ少し顔を見せている新芽を確認して挿してはみたものの頭の部分が無いため、昨秋おこなった緑枝挿しより、か弱く、奇跡を願うばかりです。 常に、苗を育てる環境・条件などを調べてみることは大変興味深いものです。 その上でこちらのブログは心のより所になります。 また宜しくお願いします。
いいと思います。植え付けのときにたっぷりと水回しして活着すれば、水遣りは必要ありません。どのラベンダー畑でもそうですが、シーズンを通してやることは一にも二にも草取りです。
お近くでラベンダーが植えられているところをあちこち見て回って、思い描く畑に近いところに時期をずらして何度か訪れることをお勧めします。株間や畝間はどのくらいか。品種は? 土質は? 作業されている方に声をかけていろいろアドバイスをもらったらいいと思います。
ありがとうございます。嬉しいです。ホントに。小田部さんこんにちは。
変えることのできない環境は別として、私にできることは希望を持って丈夫な苗を育てることかと思いました。
最初に質問させていただいた後、このブログの膨大なラベンダーの研究と情報・お便りを拝見して、沢山のことを知ったり、確信が持てたりしてとても励みになりました。
現在の8cmの苗ポットですが、根を充実させて大きな苗ポットに再度植え替えをして、来春定植という目標で良いのでしょうか? 実は定植地は主人の実家で能登なのです。 車で1時間ほどかかります。 ある程度大きくして除草・水遣りなどの手間を少しはぶける状態にしてから定植地へ持っていきたいと考えています。 それまで400の苗を全員元気に夏越しさせたいのです。
今年は、定植地のコンディションを調べていくつもりです。
今後ともご指導頂けましたら幸いです。
石巻の小田部さん、お帰りなさい。無理のない範囲でこれからもコメントいただけたら幸いです。津波を生き抜いたラベンダーや花々が、被災された方々の癒しとなりますように。
ラベンダーの塩害に付いて、ハッキリとした事は言えませんが意外に強いんでは無いかと思います。
宮城在住ですが、今回の津波で被害に遭った野蒜地区の島でラベンダーを栽培している所が以前テレビで紹介された事が有りますし、家の庭も地表から10cm程度ですが完全に水没したにも関わらず、フレンチは花が咲き始めましたしイングリッシュは日々花芽が成長しています。
多少、葉の先端が枯れると言う塩害も見受けられますが、全体的には問題なく育っているようです。
潟だったということは海が近いのでしょうか。海のそばでラベンダーを栽培している地域を知りませんし、もしかしたら潮風がよくなくて栽培は難しいのかもしれません。
砂地というのも富良野地方にはありませんのでなんともいえませんが、排水は良好でしょうからこの点では適しているかもしれません。これまでジャガイモやスイカを栽培していたということですから、ちょっと酸性に傾いていると思いますので中和が必要でしょう。
アラビアンナイトはラバンジンで、ラベンダーより強健ですので可能性はあるかと。ひとつの品種に絞らずにいくつか手に入れて、あまり焦らず5年10年というスパンで取り組む必要があると思います。
クラフトままさんの取り組み、応援しております。
ありがとうございました。 半年、1年先のラベンダーの姿が目に浮かんでくるようなご説明に勇気が出てきました。8cmの苗ポットの状態で、どれほどの大きさになるまでおけるのか今は判りませんが、定植する土地が、潟だったところを50年くらい前に埋め立てをして、比較的に砂地なのです。現在はジャガイモ・スイカ・枝豆などを作付けしていましたが、ラベンダーにとって不適切な気がします。
が、しかしここしかないのです。 できる範囲内の土壌改善と高畝にするなどして、なんとしてでもラベンダーを育てたいのです。 あるとしたらどんな土壌の改良が見込めるでしょうか? 周辺は高齢化のため作付け放棄された土地ばかりです。
何とかラベンダーで明るく元気な楽しめる地域になってほしいのです。挿し木は400弱あります。再度 お尋ねいたします。
クラフトままさん、こんにちは。
まず最初に、ラベンダーは切ることが原因で枯れることは考えられませんのでご安心ください。その上で切るべきか切らざるべきかアドバイスします。
結論から言えば切る方をお勧めしますが、なぜ切るのかというと半年後、1年後、さらにはその後の草姿があきらかに違うからです。
切ることによってわき芽が伸びてきて、さらに切ることによってそのまたわき芽が伸びます。1本が2本、2本が4本、4本が8本になるイメージです。切った枝は葉を残して花を落とせば挿し木に利用できます。
そのまま放置しても2本目3本目と出てきますし、ラバンジンのほとんどが結実しませんので、株が疲れるということも少ないのだと思います。株に勢いがあれば花後に切るのでも構わないと思います。
複数株あるようですので、比較されてみることをお勧めします。切る位置、切るタイミングを変えてみて自分なりのやり方を見つけてみてください。
はじめまして。とても悩んでます。
昨年秋アラビアンナイトを緑枝挿しをしました。6割が発根し、5月中旬に8センチほどの苗ポットに植えかえをしたところです。すると見る見る花穂が5cmから10cmほど伸びてきました。
この花穂はこのまま伸ばして花を咲かせても良いのでしょうか?
株を充実させるために今のうちに、ある程度のところから切り落としたほうが良いのでしょうか? そして切り落としたものをまた発根させて挿し木にできるのでしょうか?
私としては がんばって、一直線に伸びた苗たちの花を咲かせてやりたい気持ちもあるのですが、蒸し暑い梅雨やら夏の来る前に少しでも株を丈夫に育ててあげたいともおもいます。
ただ 切ってしまったら枯れてしまうのでは思うほど、まだまだ、か弱そうな苗ちゃん達です。 どうぞご指導ください。