富良野に花畑牧場
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富良野の話題
3月になりました。先週は暖気が入って雪解けが進み、このまま春が訪れるかと期待しましたが、そうは問屋が卸すはずもなく真冬日へと逆戻りしています。
さて、ビッグニュースです。北海道新聞ふらの面で先月25日に報じられた話題をお伝えします(下記ページは2週間でリンクが切れます)。
・花畑牧場中富良野に出店
あの花畑牧場が富良野に、しかも富田さんのすぐ近くに出店するとは、正直驚きました。インパクトは観覧車以上です。どのようなスタンスでお伝えすべきか「戸惑いながら」今回は手探りで書き進めます。
個人的には同郷であり、また農を目指して北海道に移り住んだという点も共通で、かねてより応援してきた先輩です。生キャラメルのヒットによって活躍、と同時に最近は非難を耳にすることも増えてきました。
観覧車のときもそうでしたが、基本的に一民間企業の取り組みには反対する必要はないと思っています。地元や観光客に受け入れられれば存続するし、受け入れられなければ潰れるだけです。これまで富良野でも鳴り物入りで登場した施設が、気づいたら消えていたという例はたくさんあります。
ただ疑問はあります。なぜ富良野に花畑牧場なのか。夕張には(実際はともかく)「応援する」という大義がありました。しかし富良野と花畑牧場の接点は皆無で、単に「道内有数の観光地だから」との理由づけは「(道内有数の観光地だと)お金になるから」としか聞こえません(一言付け加えますが、だから駄目というわけではありません)。
思い当たることとしては六花亭の富良野進出への対抗意識ぐらい。確かに十勝を代表する菓子メーカーが、道内農産物をこき下ろすのは、農に携わるものとして反発したくなるのもわからなくもありませんが。
花畑牧場夕張直営店。09年8月下旬撮影。手前はラベンダーですが急ごしらえの花畑は水はけ対策を施してないらしく、既に枯れている部分がありました。
夕張までは桂沢湖経由で約2時間。本家の中札内までは確か3時間ほどかかったと記憶しています。富良野に出店するとなると周遊客は見込めなくなるでしょう。この点からは経営戦略的にはマイナスに作用する気がします。
これが富良野のどこか、であれば殊更に騒ぎ立てることはないでしょう。観光の名所が1ヵ所増えた、くらいの受け止め方です。ただどうしても私が疑問視せざるを得ないのは、富田さんの近くに出店する必要があるのか、という点です。
西1線北16号の交差点から富田さん方面。右側が出店予定地。トラディショナルラベンダー畑から300mほど、左奥には花人の舎が見えます。
この写真でピンときた方、ちょっとした富良野通と認定しましょう。富田さんの周辺の駐車場を紹介する際に「普段はまったく利用価値のない空き地ですがこのときばかりは活躍します」と書いた6番、まさにこの場所が花畑牧場の出店予定地のようです。
・ファーム富田の駐車場参照
つまり、これまで富田さんの駐車場として機能していた場所が、まるまる花畑牧場となり、記事では「周辺の混雑に拍車がかかりそう」と指摘していますが、拍車を通り越して大混雑は必至でしょう。これまでの南側からのアプローチに加えて北側からの入り込みが激増し、どのような事態になるか、まったく予想できません。
穿った見方をすれば、それだけ会社が危機的な状況を迎えていて、なりふり構わず突き進んでいる、ともいえます。開店と閉店を繰り返したり、従業員を解雇したりといった報道に触れると、会社に対する一抹の不安を覚えます。かき回すだけかき回して、富良野ブランドに傷をつけてドロン、だけはご勘弁願いたい。
まだ第一報が届いただけであり、新たな展開が待っていることと思います。今後も「戸惑いながら」お伝えしていきます。
- 2006年9月22日 ラベンダーの株分けはNG
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Comment
MDさんコメントありがとうございます。
花畑牧場が富良野で何をしたいのか、私もまったく理解できません。今回の富田さんの隣接地への出店は、露骨な便乗だろうと感じます。
むしろ例えば衰退著しい街中の空き店舗とか、逆に誰も来なかった山奥でこっそりと店を構えるとか、いまや花畑牧場を知らない人はいないのですから、独自に集客力を発揮してもらえたらよかったのにと思います。
努力しないでファーム富田に肖ろうとしているような?
ファーム富田の集客力は数十年の結果であり、今でもトップが率先して、地道にラベンダー園の手入れをするなどして努力を重ねている様子を見てきました。
周辺の宿泊施設や店も景観に配慮しているようです。
中富良野を訪れる客は大規模レストランに期待などしていないようです。
観光客も団体から個人客に変わってきているのに時代に逆行するようです。
10年位前から富良野を訪れていますが、ここ数年は、のんびりと1~3カ月位滞在している者です。