ラベンダーにも大雨の被害
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富良野の話題
今年は本当に雨の多い年です。畑が完全に乾ききるということがないのではないでしょうか。それもニュースで取り上げられるようなゲリラ豪雨となっています。一昨日、富良野市のとなり芦別市野花南で土砂崩れの恐れがあり、国道38号線が一部通行止めになったばかりですが、今日はJR富良野線深山峠付近で土砂崩れにより部分運休(バス代行)でノロッコ号は全て運休。いやはや大変です。
農作物にも徐々に被害が広がっています。当初は傾斜地の畑が流されるというものでしたが、加えて平坦地の冠水被害が目立ってきました。
池でもプールでもありません。タマネギ畑です。ここまで水をかぶるともう諦めるしかないでしょう。ニンジンやビート、馬鈴薯(ばれいしょ:じゃがいものこと)などでも被害が見受けられます。暗渠(あんきょ)が効いていないのでしょうか。
たまたま暗渠工事をしていた畑があったので少し説明します。ユンボで列状に穴を掘り、パイプを敷いた上に木っ端や籾殻を被せて土を戻します。降った雨は地面を浸透しパイプを通って排水される仕組みです。
かつては大湿地帯だった富良野盆地は、客土(きゃくど:土質を改善するために田畑に土を入れること)や暗渠で排水を向上させてきました。現在の国道237号の策定とか、上富良野村(当時)から中富良野村の分村なども、富良野盆地が湿地帯だったことに大いに関係があるのですが、この辺のところはもう少し調べてから市町合併問題と合わせて後日取り上げたいところです。
さていよいよ本題のラベンダーへの影響ですが、傾斜地に植えられているほとんどのラベンダー畑では、土が流されるという被害はあります。ただし水が停滞するということはありませんので、ラベンダー自体への影響はあまりありません。
上富良野町日の出公園。度重なるゲリラ豪雨により谷状になっている部分がえぐれてしまっています。ただし局所的な被害ですからそれほど損害はないでしょう。
問題は平坦地に植えられたラベンダーです。その中で最大規模の上富良野町東中のラベンダーイースト。
水の溜まっている部分は一段低くなっていてほぼ全滅状態。奥の方の緑色が本来の今のラベンダーの状態です。当然暗渠もしっかりと行われているはずですが、それを上回る降水が今年は続いているということでしょう。昨年の積雪不足による凍害以上の被害が見受けられます。
表面が傷んだ凍害と違って、この枯れは根腐れからきているので全面的な植え替えが必要になるのかもしれません。経過観察を行った後、改めて報告します。
例年なら北海道ではお盆を過ぎるとめっきり秋めいてきますが、今年はまだまだ暑い日が続くようです。残暑お見舞い申し上げます。
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