1年目の観覧車
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深山峠の観覧車問題
今回は深山峠の観覧車について、久しぶりに取り上げます。建設前は景観論争に発展し、マスコミに取り上げられる機会も多かった観覧車ですが、昨年11月中旬にひっそりとシーズンの営業を終えていました。
そのうち道新のふらの面あたりで、昨シーズンの営業成績が取り上げられるだろうと待っていましたが音沙汰なし。そこで先月、直接社長さんにメールで問い合わせさせていただきました。先頭切って記事にするのも気が引けるので、しばらく様子見をしていましたが特にネット上で見る機会もないままさらに一月経ちました。
「観覧車は結局どうだったのですか」という質問をいただいていましたので、今回、社長からいただいた返信をもとに、独断と偏見を交えて昨シーズンを振り返り、今後の可能性を探ってみたいと思います。
まずはじめに、質問に迅速、丁寧にお答えいただいた社長に感謝申し上げます。非常に多忙な毎日を送られていることと思いますが、メールをお送りしてわずか1時間後には返信をいただきました。それも深夜。それに引き換え私は何十通という返信の必要なメールを前に「忙しい」と理由をつけて放置中。ハァ、すんません。
閑話休題。
やはり一番の関心事は、昨シーズンの利用者数でしょう。当初の目標は初年度6万人とお答えいただいていましたが、結果的には4万人弱だったそうです。併設するトリックアート美術館が7万人弱だったそうで、このことを考慮すると、目標を下回った一番の要因は昨年の天候だったと考えられます。
開業時こそ快晴に恵まれたものの、その後は不順な天候となったのは再三お伝えしたとおりです。当初心配していた「風の影響」がやはり大きく、6,7月の稼働率は週末はほぼ全滅、通しても半分程度とのことでした。実際地表は無風でも、地上50m地点はかなり風があるようです。また眺望が売りの観覧車ですから、曇天だったり十勝岳が雲で隠れていたりしたら、風がなくても「今回はやめよう」という心理的な部分も影響したのだろうと思います。
お盆以降は天候は回復し、9割程度の稼動率だったとのこと。シルバーウイークも好天に恵まれ広い駐車場が満車になるほど混雑したようです。全体としては深山峠に立ち寄る観光客は増えたということで、他の観光施設への波及効果もあったようです。
現在は冬期休業中ですが、冬期間も技術的には観覧車をまわすことは可能だそうです。着雪なんかが問題になるかと思いましたが、よく考えればスキー場ではリフトやゴンドラが動いているわけですから、たいした問題ではないのでしょう。それよりもやはり採算面で合わないということのようです。
今日に至る富良野観光は、西武グループによるスキー場・リゾート開発が出発点となっています。つまり富良野の観光イコール冬であり、北の峰地区の宿泊施設の当時の課題は「夏の集客」だったのです。その後ラベンダーやドラマがあって、夏の観光が拡大する一方スキー人口が激減して、すっかり逆転してしまいました。
冬の集客が今度は課題となっていて「ふらのびえい人になる冬」とか、あるいはニセコを真似てオーストラリア人の集客に力を入れていますが、成果はどうなんでしょう。イベントも減少し無料の送迎バスの運行を取りやめたりしているところを見ると、やはり難しいのでしょう。美瑛の拓真館も、営業面で厳しいことから今年は急遽(偶然にも今日から)休業になりました。
こうやってみると、観覧車の存在意義というのは、実は冬にこそ発揮されるべきなのでは、という気がしないでもありません。もちろん天候に左右されてしまいますが、冬の十勝岳連峰は美しいの一言ですし、空気が澄んで風もない、という日が期待できるのが富良野の冬です。団体さんの予約を受けたり、何かイベントに合わせて動かすということもあっていいかと思います。
さて、最後に残念なことも一言付け加えさせていただきます。
これが冬の観覧車。ブルーシートはやっぱりナイんじゃないでしょうか。ただでさえモノトーンの寒々とした光景に、安っぽい水色がさらに寒々とした印象を与えています。このことは社長にも指摘させていただきましたが、かなりいろいろ例えばさくらんぼをイメージしたものなど検討されたようです。ただコスト的な部分と、最終的には空に合わせてということだったようですが、来年以降改良できるよう検討したいというお言葉をいただきましたので、その言葉に期待しようと思います。
今年は2シーズン目、景観論争とは別の次元で観覧車の存在意義が問われることになるでしょう。当ブログでは今後も、観覧車がもたらす富良野観光の功罪を検証していきます。
- 2006年9月22日 ラベンダーの株分けはNG
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Comment
お久しぶりです。
このネタが非常に気になっていました。
しっかりとフォローアップして頂ける所は
”十勝岳アートビュー”でググると
トップに出てくるだけのことはありますね(笑)。
オフィシャルの内容はちょっと寂しい限りです。
うちのネタも今だに上位にあるのが、
びっくり。
で、
詳細なご報告ありがとうございます。
確かに天候は悪かったですね。
動けなくてはお客さんもなにもありません。
来年以降期待したいです。
とはいえ、ネットでも思った程、
話題になった感じもありませんし、
テレビでも取り上げられなかったような気がします。
やはり地元の反対が大きかったためでしょうか。
続けていけるよう、
やれることはまだまだ有るような気がします。
やるならやる、
やめるならさっさとやめる。
どちらかを希望したいものですね。
ブルーシートは
ビニールハウスに使うシートはどうでしょうかね。
安く手に入りそうですし丈夫だし、
透けて見える、なんてね…。