ジェットコースターの路からの眺望
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深山峠の観覧車問題
いよいよ景観論争の核心に迫ります。ここまでお付き合いいただいた方々、ありがとうございました。私も疲れましたが読んでいる皆さんも疲れたことと思います。もうひと踏ん張りお付き合いください。
ジェットコースターの路は「かみふらの八景」に選ばれています。このかみふらの八景とは上富良野町内の8ヵ所の景勝地をかみふらの十勝岳観光協会が99年に定めたもので、近隣市町にはない町独自の取り組みです。
05年7月撮影。その名のとおりアップダウンの直線道路がジェットコースターのようだということで名づけられました。この同じ道をプロバンスの路と呼んでいる旅行会社もあります。プロバンスの名が通っていた以前はゆっくり景色を眺める車が多かったが、ジェットコースターが一般に浸透した最近はスピードを出されて困る、という近隣住民の嘆きを聞いたことがあります。
さて、このジェットコースターの路からの景観が、恐らく反対派が主張する「景観破壊」の一番のポイントとなります。
ここから見える観覧車が景観の障害になるかならないか、人によって受け止め方は違うでしょう。望遠を使えば大きく感じるでしょうし、山にかかっていないという点では小さいかもしれません。この論点では水掛け論になってしまうのでまったく異なる視点からジェットコースターの路からの景観を考えます。
「八景にも選ばれたこの景勝地から見える景色に観覧車が入る」から反対、という主張にはそれなりの説得力があります。しかしこの主張は論点がずれている、と私は感じます。すなわち八景に選ばれたのは道路がジェットコースターのようだからであり、ここからの眺めがいいからではないのです。ただ、たまたま深山峠の西側に位置し、道沿いの高いところから深山峠を含めた丘陵地帯、十勝岳連峰が見渡せる、というそれだけのことです。この数十メートルをもって鬼の首でもとったように騒ぎ立てるのはどうかなと感じます。
富良野・美瑛地区には至る所に景観スポットが点在します。バルーンの調査結果を踏まえて景観に大きく影響するのは恐らくこの地点のみであり、今後もマスコミで取り上げられる度にここからの眺望が槍玉にあげられる、というより反対派の方々は反対する論拠をこの地点に求めざるを得ないでしょう。
もうひとつ別の視点からこの地点の問題点を指摘します。
一昨日、美瑛側からの景観を見に行った際に立ち寄りました。左側の白樺の横に「八景」の標柱があり左方向が深山峠・十勝岳方面です。実はこの地点、非常に重大な交通違反を誘発する恐れのあることにお気づきの方はいらっしゃるでしょうか。
どこが問題かわかるでしょうか。ヒントは「坂の頂上付近」だということです。この解答は次回。コメントで答えられちゃうと困ってしまうのでご遠慮くださいませ。
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Comment
コメントありがとうございます。感情的な反対論ばかり目にしてきましたので、骨のあるご意見をいただきうれしく思います。
おっしゃるとおり、ジェットコースターの路は景観も含めての「八景」です。ただ仮にこの地点がジェットコースターのようだという特有の道路状況でなかったら、深山峠が八景に選ばれている以上の付加価値はなかったろうと思います。また2.5kmの直線のうちどれだけの距離で深山峠が視界に入るでしょうか。もちろん距離の問題ではありませんが、ごく一部といっていいと思います。
これは私の意見です。本文で断定した部分も私の見解に過ぎず選考基準云々はわかりませんので、断定した部分は訂正させていただきます。
今回の記事でもっとも訴えたかった点は、この地点のこの方向の景観(つまり観覧車が入る地点)がことさらに強調されていて、ここからの景観が破壊されることイコール富良野・美瑛地域のすべての景観が破壊されるがごとく喧伝されていることに対する、一町民としての異論です。もう少し視野を広げた立場からこの地点の景観を考えたとき、様々な視点に立って考えるのは必要なことと思いますがいかがでしょう。
町、特に観光協会に対しては一町民の立場から、今回の問題の見解を質していきたいと考えています。
私自身今回の観覧車問題をどう捉えるべきか悩みながら記事を書き進めています。言葉足らずだったり誤解を与える表現があったりするかもしれませんし、書き進めていくなかで表現が微妙に変化していることに自分でも気づいています。それらも踏まえていただいて、ひとつの意見として読んでいただければ幸いです。貴重なご意見ありがとうございました。
『八景に選ばれたのは道路がジェットコースターのようだからであり、ここからの眺めがいいからではない』と断言されていますが、ブログ主様は『かもふらの八景』の選定に関与されたか、或いはそれらの選定基準をご存知なのでしょうか?
私は『かみふらの八景』としての『ジェットコースターの路』はアップダウンの激しい直線路と前後左右に広がる景観を一体のものとして捉えるべきだと思います。
ブログ主様は『たまたま深山峠の西側に位置し、道沿いの高いところから深山峠を含めた丘陵地帯、十勝岳連峰が見渡せる、というそれだけのことです』と乾いたお考えですが、そのお考えだと日本三景以下すべての絶景が『たまたま』になってしまいますね。
例えば某ランドや某スタジオのように人為的にデザイン設計された景観以外は『たまたま』ですから。
ジェットコースターの路の最高点(簡易水道のポンプ場前)に立つ『かみふらの八景』の木柱と、案内板は『道路』を背にして十勝岳連峰を望む方角に立って見るように設置されているのは何故ですか?ジェットコースターの路を走り、あの場所で雄大な景観をお楽しみ下さい、との上富良野町とかみふらの十勝岳観光協会のお勧めなのではないですか?
確かにあの場所に駐停車し、景色を楽しむのは事故誘発の危険性を孕んでいることを認めるには吝かではありません。でも観覧車問題が『別の視点からこの地点の問題点』の指摘に発展するのかが理解不能です。
要は『たまたまの景観だから観覧車は問題にならない』し、『危険だからジェットコースターの路は危険だから、八景指定は解除すべき』とのお考えと理解すれば宜しいのでしょうか?
以上、思いつくままに失礼を顧みずコメントを述べさせて頂きました。
拝上