観覧車問題に対する見解
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深山峠の観覧車問題
この10日間、本当に疲れました。ラベンダーの時期でさえ週に1度ほどの更新ですから、今回の更新ペースは私自身驚くほどです。観覧車問題が大きく報道されて以来、それこそ夜も寝つけずにあーでもない、こーでもないと考えていました。ただ今回改めて富良野の魅力は何かを考えるきっかけを与えていただいた点で、非常に有意義な時間だったと思います。
一上富良野町民として、また反対派の方々と同じ移住者であると同時に、アラタさんには何のコネもない自由な立場から今回の一連の記事を書き続けてきました。この中で明らかになったことをまとめて、今回の問題に対する一町民の立場を表明したいと思います。
- 日の出公園はじめ町内のほとんどの景勝地、及び中富良野町・富良野市への景観への影響は皆無
- 深山峠から望む丘の景観はこれまでと変わりなく、観覧車は視界に入らない
- 美瑛町の景観スポットからの風景に、観覧車が与える影響はほとんどない
- もっとも影響が出るのはジェットコースターの路からの景観であるが、道路自体の魅力は変わらない
- 観覧車が比較的シンプルな構造で景観への影響は最小限に抑えられるのではないか
当初から「景観保護」と「観光振興」のバランスを重視していることはお伝えしてきました。この景観保護の観点から以上の点を考慮すると景観への影響は最小限にとどまると考えていいのではないでしょうか。一方の観光振興ですが、集客力は営業期間や料金の設定等に大きく左右されるでしょうから、現時点では詳細がわかりませんので論評は控えます。もっともこれは経営の問題ですから、株主でもないのに横から口出しする筋合いのものではないでしょう。
ここで改めて私の立場を表明します。当初は(消極的)反対の立場からこの問題を取り上げてきましたが、自分なりに調査を進める中で反対する理由がひとつひとつ消されていき現時点では消極的(条件付)賛成であることを表明します。
反対の立場からご意見をいただいた方々や連絡を取らせていただいた方々には申し訳なく思います。ただ私なりに精一杯考えに考えた結果だということはご理解ください。
改めて一連の記事を読み直して、よくもまあこれだけ書いてきたものだと自分でも感心してしまいます。「そのエネルギーを他所に使いなさい」と妻にはたしなめられましたが結局のところ私は富良野が好きなのです。上富良野が好きになってこの地に移住したわけです。その大好きな富良野が、感情的な発言でけなされることに対して黙っていられませんでした。
また上富良野を心から愛するからこそ荒田社長は自分の信念を持って、反対の意見にも真摯に耳を傾け、理解してもらえるよう誠意ある対応をしているのでしょう。その熱い想いは私には十分伝わってきましたし、一町民として条件付ではありますが賛成の立場を表明し、これからの富良野の観光のあり方についてともに考えていければと思います。
一方の反対派の方々も、富良野を愛すればこその反対であると私は信じます。単に写真の邪魔になるとか、ペンションからの景色が台無しになるとかという次元の発言はこの辺にして、大所高所から富良野の魅力について語っていただきたいと願っています。
ところで条件付賛成と表明したものの、条件の具体的な中身についてはまだ詰めきれていませんが、今思いつくものとしては1つは色使い。「目立つためにピンクを」などと主張した場合すぐに反対派の先陣を切ることになるでしょう。またシーズン終了後に改めて住民の意見を収集し、反対意見が多数を占めた場合直ちに取り壊す、という取り決めを結ぶのもいいかと思います。この辺についてのご意見がございましたらメールフォームからお伝えください。
また、これまでの一連の記事で何かご意見がある方もどうぞ。ただし本当に精神的にヘトヘトでしばらくの間は返信を期待しないでください。感情的な反対意見は十分目を通していますので、建設的な反対意見やこれまで明らかになっていない情報をお持ちの方からのご意見をお待ちしています。またぜひ積極的な賛成意見をお持ちの方がいらっしゃればお聞かせください。
なおお寄せいただいたご意見は個人情報を伏せた上で、当ブログ上で引用させていただく場合があります。また当ブログのアドレスは荒田社長にお知らせしており、読んでいただけているかと思います。いただいたご意見を荒田社長へ転送する場合があることもご了承ください。
お付き合いいただいて本当にありがとうございました。私は貝になります。よいお年を!
- 2009年11月30日 中国の「ラベンダー」畑
- 2008年12月7日 ジェットコースターの路からの眺望
- 2008年12月6日 美瑛側からの景観
- 2008年12月5日 深山峠からの景観
- 2008年12月4日 バルーン調査でわかったこと
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Comment
私もこの問題気になって見ていましたが、感情的にならない根気づよい検証、頭が下がりました。
まあ影響が無いってことはないでしょうけどねえ。
> なぜ反対かといいますと、不自然だからです
これも少し傲慢なような気がするねえ。
あなたがどのような生活をされているかはわからんけど、少なくともこうやってインターネットに書き込みするような生活をしている訳で。
前田真三が切り取った風景だって、100年前には無かったものだしねえ。
このブログを読み終えた今は、逆に新しい風景が作り出されるような気もするけどねえ。
はじめまして。
私は観覧車建設に反対する会の者です。
ご自身が賛成か反対かは、それぞれの考え方ですので、どうこう言うつもりはありません。ただ、書かれた記事の中で「単に写真の邪魔になるとか、ペンションからの景色が台無しになるとかという次元の発言」といところが気になりました。確かに反対派の中には、お書きになったことが理由で反対している方もおられるかもしれませんが、少なくとも反対する会として、そのようなことだけで反対している訳ではありません。反対する会のブログにそう思われてしまうような記述があれば反省しなければいけません。現に反対する会のメンバーの家からは観覧車が見えない人の方が多いです。(私の個人的な気持ちですが)なぜ反対かといいますと、不自然だからです。理由は簡単です。自然豊かで、自然に魅せられてたくさんの観光客が来られる。そんなところに観覧車は不自然だからです。どこからは観覧車が見える、どこからは観覧車が見えない。ほとんど影響がない(と思われる)から建てていい。というレベルの話ではないと思うのです。自然の中にあの大きな建物は異質です。反対する会は個人の単なるエゴ、都合からだけで反対しているのではない、ということを分かって頂きたいと思います。「地域振興、活性化のため」にも疑問です。
お疲れさまでした。
観覧車問題が発覚した後、
多くの方々が「観覧車=景観悪化→反対」
という意見が出ました。
その中で、
しっかり現場を確認して根拠に基づいた意見を
述べられたのは貴サイトのみだと思います。
色々な場所に行き考察するあたり、
経済的にも、時間的も大変だったとお察しします。
非常に有用な記事と思ったので、
私のブログでも紹介させていただきました。
http://www.mytokachi.jp/raccoon_4/entry/175
ありがとうございました。
今までの記事を読み、
景観にはそれほど影響がないとわかりました。
「上富良野に観覧車がある」というイメージについては
影響があるかもしれないのは事実ですね。
ただ、開業時テレビ等で
「すばらしい景色です!!」というスタンスで
放送した時に肯定的に捉える人は多いのではないか
と思います。
建設が決定してしまった以上、
私の願いはそれなりにお客さんが入って、
地元の方や観光客の皆さんに愛されることです。
閑古鳥→倒産→撤去費用なし→放置 or 税金で撤去
という図式が一番恐ろしいです。
それなりに営業を続けることは、
この時代かなり難しいことと思います。
そんなビジネスモデルと勇気をあの社長さんが
持っていると期待したいです。
こんにちは。
本当に大変だったと思います。
毎日読んでいて頭の下がる思いでした。
でも・・・観覧車を置くのなら、もっと別な場所(もちろん富良野地区内ですが)でもいいかな・・・と率直に思いました。
一観光客の考えるところ、
一面に広がるラベンダーを足を使ってのぼることなく高い位置から見下ろせたら、足の強くない子供やお年寄りを連れて行くにも助かるな・・と思います。
観覧車のできることによって花畑が整備されていくのなら、賛成って思います。
お疲れ様でした
ネット上で賛成派を見つけたのは初めてかもしれません。(^-^;
まあひとそれぞれですから、いろんな意見があって良いと思います
ひとまずゆっくり休んでください