東中に残る蒸留施設
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各地の発祥の地
11月に入った途端の寒波で富良野地方は一面の銀世界へと変わりました。まだ根雪には早いので融けるでしょうが、季節は着実に、晩秋から初冬へと移っていきます。
富良野地方のラベンダー発祥の地である、上富良野町東中地区にはかつてラベンダーの蒸留に使用した施設が、当時とは場所を変えていますが存在し、使用されてきました。毎年上富良野町の観光協会がラベンダーを蒸留する際に間借りしていて、そのことが毎回道新のふらの面で紹介されますので富良野地方在住の方はご存知の方も多いと思います。ですがこれは「間借り」であって、何が蒸留されてきたかという報道は見たことがありませんので、この場で紹介したいと思います。
ここで蒸留されている作物、それは青ジソ(大葉)です。上富良野町青しそ耕作組合(以前はラベンダー耕作組合青しそ部)を組織し、東中地区を中心に作付けが行われています。契約先はあの、曽田香料株式会社。ラベンダーを日本に最初に持ち込んだことで有名ですね。
ラベンダーの栽培契約の打ち切りで悪役にされることもありますが、ラベンダー観光に活路を見出したのと同じくらいに、青ジソ栽培によって活路を開いたことは高く評価されてしかるべきでしょう。
9月中旬、バインダーで刈り取り畑で乾かします。豆を乾かす光景はよく見かけますが、シソを乾かす風景は滅多に見られません。
トラックに山積みして蒸留施設へと運びます。すんごい過積載。どこかで見た光景と思いましたが、沖縄のサトウキビもこんな感じで運んでました。
茎ごと粉砕した青ジソを蒸留釜に詰め込みます。ワッショイワッショイ、踏んづけます。ワインの仕込みの際は歌いながら踏むそうですがそんな楽しさは微塵も無く、全身にホコリをかぶり、むせ返るような蒸気の中で汗だくの作業です。
いっぱい詰まったらガッチリと蓋をします。これに蒸気を通すこと90分。
取れたシソオイル。理科の実験みたい。きゅうりのお漬物なんかの味付けに利用されるそうです。使用しているメーカーさんには国産、富良野産のシソオイルという付加価値で、もっと主張してもいいと思いますが。
終わったら取り出します。圧縮されているのでクレーンで引っ張り出してトラックの荷台にポイ。畑で堆肥となります。
一連の作業工程を紹介しましたが、実はこれ、昨年までの話です。施設が更新されて現在はパワーアップしています。その作業工程はまた次回ご紹介します。
- 2009年11月30日 中国の「ラベンダー」畑
- 2008年12月7日 ジェットコースターの路からの眺望
- 2008年12月6日 美瑛側からの景観
- 2008年12月5日 深山峠からの景観
- 2008年12月4日 バルーン調査でわかったこと
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