富良野に道の駅は必要か
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道路情報
北海道の道の駅が新たに5ヵ所登録され、100ヵ所を数えることになりました。道内180市町村であることを考えると、半分以上の自治体で道の駅を設置していることになります。
この中で新しく美瑛町「丘のくら」が登録されたというニュースを受けて、富良野地域(ここでは上富良野町・中富良野町・富良野市を指します)ではなぜこれまで道の駅が誕生しなかったのか、そして近い将来できる可能性はあるのかという点について、私見をまとめたいと思います。
富良野地域周辺の自治体では、南は南富良野町、占冠村、日高町、西は芦別市、滝川市、歌志内市、北は旭川市、東川町そして美瑛町と、続々と道の駅がオープンしてきました。
そんな中、なぜ富良野地域には道の駅ができないのか。
道の駅に認定される際の細かな定義はわかりませんが、24時間無料で利用できる駐車場とトイレが設置されていること、地域情報や交通情報などの提供できるスペースを設けていることが共通事項です。
この定義に当てはまる、あるいは少し改善すれば当てはまるであろう道の駅のような施設はすでに富良野地域には数多く存在します。各ラベンダー園もそうですし、深山峠などにある大型レストランも十分道の駅のような機能は備えています。
道の駅の認定を受ける最大のメリットは、その圧倒的集客力にあるでしょう。東川町の道の駅「道草館」が登録を受けた途端、来館者が爆発的に増加したのも頷けます。富良野の多くの施設も、道の駅の持つ集客力にあやかりたいところですが、多数存在するからこそお互い牽制しあっているというのが実情ではないでしょうか。
どこかの施設が手を挙げれば周りの施設も黙っていないでしょう。市町村の合併によって1つの自治体に複数の道の駅がある事例も増えましたが、基本的には1つの町に1つの道の駅だとすると、ある程度成熟した観光地である富良野にはさまざまな利権が複雑に絡まっていて、既存施設の道の駅化の実現は難しいと考えます。要件を満たすこと自体は難しくはないでしょうが、独り勝ちによって周り中敵だらけになる可能性があります。状況は美瑛も同じですが、新たに登録された道の駅「丘のくら」は開設から日が浅く、またJR資本という巨大な力が働いたということでしょう。
では、まったく新規に道の駅を設置する可能性はどうでしょうか。
この道の駅の新設は十分あり得ると考えます。どこかで具体的な動きがあれば、水面下での議論が一気に噴き出してくるかもしれません。
可能性があるとしたら現在上富良野町が整備中の「見晴台公園」と富良野市の「協会病院跡地」の利用でしょう。中富良野町の「ラテール」周辺も候補地といえます。
しかし目先の利益だけを追い求めて安易に道の駅の集客力に頼れば、大きなしっぺ返しが待っているでしょう。
美瑛で登録された「丘のくら」が、本当に道の駅としての資質が備わっているかという点を通して、道の駅の功罪についてもう少し考えたいと思いますが、富良野に道の駅は必要かという問いに対して富良野地域全体の道の駅化を提案してまとめとします。
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