ラベンダーの株分けはNG
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最終更新日:2014/04/02
その他の増殖法
ラベンダーの増やし方には2つの方法があります。ひとつはタネを蒔く方法で、もうひとつは挿し木をする方法です。ハーブの本やハーブを解説しているサイトの中にはラベンダーは「株分け」で増やすことができると記述しているものもありますが、株分けの意味を「一つの根を幾つかに分けて移植すること(新明解国語辞典)」と定義すればラベンダーを株分けすることはできません。
ラベンダーは多年草? でも書いていますが、地上部の茎や花と地下部の根は1本の木(幹)でつながっているだけで、株まわりは年々大きくなりますがミントのように横に広がっていくことはありません。
古株を用いてラベンダーを株分けするとはどういうことかをやってみました。やってやれないことはありませんが、上の写真のようにラベンダーを裂くことになります。「増えた」ラベンダーのそれぞれの株もいびつな形になってしまいます。
ラベンダーの増やし方で広く行われているのは「挿し木」で、この通信の中でもその方法を紹介しています。
参照→挿し木の方法
富良野地方ラベンダー発祥の地である上富良野町東中(ひがしなか)地区で苗を生産する農家さんの方法も挿し木です。
富良野のみならず道内各地、全国各地で植えられた「富良野産のラベンダー」も、もとをたどればここで挿し木されたラベンダーである可能性が高く、半世紀の間に確立された技術に裏打ちされています。
そんな中、この春にラベンダー(正確にはラバンジンですが)を「株分け」した場所が存在します。上富良野町の草分防災センター近くの交差点に植えられていたラバンジンが抜かれたと思っていたら後日、深山(みやま)峠の展望台足下でそれを発見しました。
最初見たときは何が植えられているのか解らなかったのですが、よくよく眺めてみるとこれがその抜かれていたラバンジンを引きちぎって「株分け」された姿だと気づいて悲しくなりました。
このようなことはラベンダーの栽培に携わる人は決してしませんし、もしこの姿を見たら同じように嘆かわしく思うでしょう。どこの誰の指示でこのようなことが行われたのかわかりませんが、この国道を管理しているのが開発局旭川開建富良野道路事務所であることから、彼らの仕業と考えられます。
これできれいにラベンダーを植えつけたつもりなのでしょうか。あまりにも無残な姿にされていて、かわいそうの一言に尽きます。シーニックバイウェイ事業をでっちあげ「景観」を声高に叫ぶ開発局のラベンダーに対する姿勢が見えたような気がします。まあある意味反面教師としては参考になるので、来年「立派な」株になることを期待して、生育を見守っていきます。
- 2013年10月10日 5本に戻った5本の木
- 2006年10月13日 ラベンダーの冬支度
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