株分けラバンジンの今
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その他の増殖法
ラベンダーの株分けはNGの記事を書いてから2年経ちます。この中で深山峠展望台付近に植えられたラバンジンがまさに株分けされたものであって、あまりにも無残な姿にされていたことをお伝えしました。
あれから2年。ラバンジンのいまを紹介します。
2年前の「株分け」初年。
今年の「見頃」のラバンジン。
これで2年の月日が経過しています。この試みが失敗だったことは誰の目にも明らかでしょう。株分けするとこうなってしまうという、まさに反面教師です。ここの管理者は一面紫色の絨毯になると想定していたのかもしれませんが、私から言わせればまったく予想通りの結果でした。
このようなラバンジンが恥ずかしげもなく観光スポットである深山峠に植えられ、観光客の目に触れられている(あまりに酷すぎてこれがラバンジンと気づかないのはこれ幸い)ことに、上富良野の観光関連の事業者の方々はご存知ないのでしょう。情けない。
この悲しきラベンダーの株分けの姿。今年あらたにもう1ヵ所増えているのを発見しました。場所は旭川空港から旭山動物園方面へ向かった稲荷神社前。ここは「花の町」をアピールする東神楽町ですのでまったく富良野圏外なのですが、数キロに渡って道路沿いにラベンダーが植えられており、富良野関連の施設名の記載された看板が設置されていて見過ごせなくなりました。
ここは整備された当初は結構壮観な眺めで、ちょっと通るのをお勧めしたくなるようなスポットだったのですが、その後の管理がまったくなっておらず草に覆われ枯れていき、かなり引き抜かれてしまいました。管理できないと枯れてしまうということをこの場所で学ばせてもらいましたが、この一画にまたもや「株分け」されたラベンダー(おかむらさき)が植えられていました。
やはりチンチクリンです。そしてやはり草が抜かれることなく放置されています。道道(注・「どうどう」と読みます。県道に対し北海道ではこう呼びます)ですので北海道の管理なのでしょうか。植えることだけに意識がいってしまい後の管理はいい加減。枯れたらまた植え直せばいい、という考え方から脱却しなければならないでしょう。このような税金の使われ方が許される時代ではもはやないでしょう。
以上見てきたように、ラベンダーの株分けは株を傷めるだけであり、その後どんなに努力しても木質化していびつな形になったラベンダーを見栄えよく修正するのは困難です。またラベンダーの寿命が15年だとして、10年目に株分けしたラベンダーの寿命は結局残り5年です。挿し木によって新たに根を出せばリセットされて15年。この観点からも株分けの無意味さが説明できるでしょう。
08年8月20日追記
ここで取り上げたからではないでしょうが、つい最近掘り起こされすっかり姿を消してしまいました。マニアが集う枯れ枝ラバンジンスポットとして残しておくのも面白かったとは思いますが。
- 2009年11月30日 中国の「ラベンダー」畑
- 2008年12月7日 ジェットコースターの路からの眺望
- 2008年12月6日 美瑛側からの景観
- 2008年12月5日 深山峠からの景観
- 2008年12月4日 バルーン調査でわかったこと
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