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意味があるのか ココ! マーク

公開日: : 最終更新日:2014/04/02 道路情報

上富良野町と中富良野町を走ると交差点で目にするアルファベットの表示。これは7月1日?10月31日に行われている「わかりやすい交差点案内標識に関する実験」のための表示で「ココ!マーク」と名づけられています。

ココ! マーク

この夏、富良野を車で移動した方は目にしたことかと思いますが「何あれ?」と思われた人も多いことでしょう。私を含め富良野在住者にはまったく目障りなだけの表示ですが、地理に不案内な観光客のうち、アルファベットが対応する地図をどれだけの人が入手できたか、仮に入手できても活用できたか考えると、ほとんど無意味なように思います。

参照先
わかりやすい交差点案内標識に関する検討会
交差点記号化研究グループのサイト


この交差点の表示は対応する地図と見比べて初めて意味を持ちます。この地図は主に旭川空港レンタカー営業所、観光施設、コンビニ等で配布しているということですが、ネット上で確認することができます。
参照→ココ! マークGUIDE

この地図によると上富良野町内に12ヵ所、中富良野町内に10ヵ所の交差点にこのマークが掲示されているということです(なぜか『S』が2ヵ所)。地図の裏には観光施設案内として『旭川空港から向かう道順の例』が掲載されていて、全部で22ヵ所設置されたマークのうち、道案内として登場するのは半分の11ヶ所。残り半分は現在位置を確認するためだけに設置されたというわけです。

この道案内は旭川空港からのレンタカー利用を想定していて、北側からの進入ルートを表示しているだけで、例えばファーム富田に行ったあと北上し、日の出公園に向かうといった場合は何の役にも立ちませんし、新千歳空港を利用し札幌方面からアプローチする利用者に対する配慮は一切ありません(因みに乗降客数は旭川空港の年間約100万人に対し新千歳は約1,800万人)。

この道案内のそれぞれの表示に関して具体的な問題点を指摘します。これから先は非常に細かい指摘になります。

・彩香の里
「Rを右折→Sを右折→Aを左折しつきあたりを左折→直進約900m」
[疑問点]この地図を作成するにあたって現地調査はなされなかったのでしょうか。『Aを左折しつきあたり』とありますが彩香の里へ向かう左折地点は突き当たりません。突き当たりは4km先の道道851号の交差点です。まったくのウソを教えていることになり、これだけでもこの道案内の完成度の低さがわかります。

・町営ラベンダー園/なかふらのフラワーパーク
「Vを右折→Gを左折し約300m(後者は200m)」
[疑問点]隣りあっている施設をわざわざ別に表示する意味があるのでしょうか(隣りと書けば済むだけ)。上記彩香の里で示したルートでいえば『Sを右折し100m』となりますがなぜわざわざ違うルートを示しているのでしょうか。

・ファーム富田
「Mを右折→Tを左折→Lを右折し約200m」
[疑問点]上記施設との共通点ですが、そもそも旭川方面からファーム富田を目指すときの最善のルートはマークでいうところの『Uを右折』して基線を利用する道路です。わざわざ遠回りを指示しています。

以上が中富良野町の施設の案内ルートですが、わざと小難しく表示して、いかにこの道案内が役に立つかを演出しているようで非常に不愉快な地図です。これらは極至近距離にありますし、既存の看板も多数設置されていますので、あえて記号表示する意味があるのでしょうか。

・後藤純男美術館/千望峠/十勝岳温泉郷/日の出公園/白銀荘
どれも「B」を基点に表示しています。
[疑問点]Bとは国道237号と道道581号の交差点で観音像のある場所です。旭川方面から上富良野町市街地に向かうのは「F」の交差点であり、反対側にある千望峠以外の施設はすべてFの地点で左折します。白銀荘も十勝岳温泉のひとつなのに別に表示している意味はあるのでしょうか。
ココ! マーク
Fの地点には「日の出公園」はじめその他の道案内表示が掲げられていて、かえって利用者の混乱を招くのではないでしょうか。

・フラワーランドかみふらの
「Sを右折し直進1.2km」
[疑問点]国道沿いに大きな看板が設置され、かつ目視で位置を確認できます。また、直進しただけでは着かず途中右折します。

・深山峠
「国道237号を直進約19km」
[疑問点]ココ! マークは登場しません。それもそのはず、国道沿いにある深山峠は地図がなくともたどり着けます。どこを基点に19kmなどと表示しているのかも示されず、まったく意味のない道案内です。

なぜ実験候補地として富良野が選ばれたのかわかりませんが、すでに富良野は観光地としては成熟している部分があって、道路標識やパンフレットなど多く表示、配布され、カーナビも普及している昨今、前時代的でアナログ的なこの取り組みはどれだけ意味があるのでしょう。

総じてあまりにもお粗末すぎると言わざるを得ません。開発局が主導している実験のようですが、つまるところ何かと風当たりの強い昨今、既存の道路予算がおりなくなって「シーニックバイウェイ」同様新たな事業をでっちあげてみた、というところことでしょうか。

もちろん今回の実験でもそれなりの額の血税が使われているわけで、もし来年以降、今回の実験が「成功」だったとして本格的に事業が継続されるのであれば、この無意味な税金の無駄遣いを声を大にして追求せざるをえないでしょう。

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