枯れる被害の大きいラベンダー畑
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ラベンダー豆知識
今年は例年より3日ほど早く生育しているのは、前回データでお伝えしたとおりです。早咲きは日増しに色を付けて今月下旬に向けてぐんぐんと色を濃くしていきます。
ラベンダーイーストにて。早咲きの開花が始まるのは7月2日前後を予想していますが、開花が始まると花びら自体は色が薄いために開花直前がもっとも青が濃い状態になります。
さて、今回はそのラベンダーイーストにおいて今春も枯れの被害が発生していることについての報告です。その枯れ方が非常に不思議なのです。新芽が伸び始めた直後から気づいてはいたのですが、その原因についての納得できる説明ができないままの報告となります。
グーグルマップの航空写真より。青で囲った部分がラベンダー畑。①と②で矢印の方向に撮影。富良野盆地における道路の区画は右へ約33度傾いています。
①。ご覧のとおり、向かって右側が新芽を伸ばし、左側が枯れています。方角で言えば右側が北東、左側が南西となります。8割がたこの方向に畝を切っているため、かなり広い面積でこの現象が確認できます。
②。残りの2割が南西から北東に向けて畝が切ってあります。こちらでは片方が枯れるという現象は起きていません。
このラベンダーイーストは、一昨年、昨年と長雨や豪雨による被害があったことは当ブログで取り上げてきました。今回の枯れの原因が水はけ不良によるものだとすると、①の写真でいえば右側が水はけが良くて左側が水はけが悪かった、ということになりますが、果たして交互に畝ごとそうなるものでしょうか。また昨年まではこのような枯れ方はしませんでした。
今年は積雪が多く4月上旬までは雪解けが進みませんでした。ここでふと、2006年の出来事を思い出しました。その年の秋に道新ふらの面でラベンダーの色が薄かったと記事になっています。
参照:今年(06年)のラベンダーは薄かったか
このとき富田さんは「春先の低温で雪融けが遅かったことも要因の一つ」と挙げていて、今年もそれに当てはまったかと感じます。ただし片側だけが枯れるのはこれだけでは説明が付きません。
無い知恵を振り絞ると、考えらるのは日照の差。枯れたのが左右逆ならそれもありで、つまり株の右側(日当たりの悪い方)が日照不足で株元の土が乾かなかったと。でもその右側は枯れずに左側(日当たりの良い方)が枯れているのです。
もうひとつ考えられるのは風当たり。春から秋にかけては主に南風(①の写真では左から右)が吹きます。その風に何らかの枯れる原因があったかとも想像しますが、ラベンダー栽培における3要素は「日当たり、水はけ、風通し」です。風に当たってラベンダーが枯れるとは、到底納得できません。
ラベンダーイーストは本年は6月30日に開園します。例年ならギリギリまでラベンダーを置いておきますが、昨年そうだったように、今年も刈り取りは早いと思われます。あくまでここは観賞用ではなく、オイル抽出を目的とした畑です。これだけ被害があれば最大限収油量を確保する必要があるでしょうし、観賞するために残す価値は下がっています。残念ですが枯れ具合を確認する私のようなマニア以外はお勧めできませんし、オープン当初のような畑に戻るには数年かかるでしょう。あるいは今後も枯れる被害が出続けるならば、最悪イーストは閉鎖されることになるかもしれないことは、覚悟しなければならないでしょう。
縞模様に枯れた原因のわからないままの記述となりました。機会があれば関係者の方に聞いてみようと思います。ところで枯れがひどいラベンダー園は他にもあります。あまり毒は吐かないようにするのが今年のちっちゃな目標でしたが、怒りがフツフツと沸く出来事で、次回だけはお許しください。
- 2013年10月10日 5本に戻った5本の木
- 2006年10月13日 ラベンダーの冬支度
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