富良野観光の新戦略?
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富良野の話題
先日の北海道新聞に掲載された記事によると、昨年度の富良野市(中富良野町や上富良野町は含まれない)の観光客数は203万人で、前年度より42万人減となり、過去最大の下げ幅だとか。02年に「北の国から」が放送された効果が03年に出て、昨年度は大幅に落ち込んで関係者はショックを受けているそうですが、何か変だなって気がします。
「北の国から」が放送された翌年に観光客が増えてきたのは過去のデータから明らかですが、さらにその翌年に反動で観光客が減少するのはこれまた明らかです。「鉄道員(ぽっぽや)」の舞台となった南富良野町は今はブームは去りましたが、だからといって観光客が減った、経済が落ち込むなどと嘆くことにはならないでしょう。
記事のサブタイトルは「狙え豪州スキー客」。ニセコ地区がオーストラリアからのスキー客の誘致に成功しているので、富良野へもオーストラリアからのスキー客を誘客しようと協議会を発足させたとのこと。
でもそれって・・・二番煎じじゃない?
ニセコ地区がオーストラリアからのスキー客の誘致を成功に結びつけた経緯はわかりませんが、ここまで育てあげるには大変な苦労があったことと思います。それを傍から見ていて、ニセコでうまくいってるなら富良野でも、という発想はちょっと貧困ではないでしょうか。ニセコよりも雪質がよく、北の峰の評価も高いからとニセコに訪れたオーストラリア人を奪おうというのは、観光業界のおごりではないでしょうか。
一地方都市に過ぎなかった富良野市がここまで有名になったのはドラマ「北の国から」のおかげであることは誰もが認めるところです。富良野市にとってこの話しは降ってわいたものでしょう。また富良野市はラベンダーの街ではなく、ラベンダー観光に関して中富良野や上富良野のおこぼれにあずかっているにすぎません。つまり、富良野市の観光業界は自ら汗をかいて誘客した経験がないため、このようなニセコ地区にツバを吐くような行為が平然とできるのです。
オーストラリアのスキー客はニセコに任せればいいじゃないですか。ニセコでは手付かずのニュージーランドからのスキー客の誘致に取り組んだ方が、成功の可能性が高いでしょうし、将来的にはニセコと手を組んで直行バスを走らせて双方のゲレンデを楽しんでもらえれば、富良野にもニセコにも、途中の札幌にもプラス。オーストラリア人にもニュージーランド人にもプラスです。
一方で現在はオーストラリアとは桁違いの観光客が台湾・香港から訪れており、さらには韓国や中国からのツアーの増加も今後見込まれるというのにそちらの対応はお寒い限り。何かズレているという印象の否めない記事でした。
- 2006年9月22日 ラベンダーの株分けはNG
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