エッセンシャルオイルと蒸留水
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富良野のお土産に
ラベンダーの精油(エッセンシャルオイル)は万能精油と呼ばれるほど様々な用途があります。化粧品や香水には欠かせない成分となっています(市販のものは輸入または合成香料がほとんどかと思われますが)。原液を肌に直接つけることのできる数少ないオイルのひとつです。
このラベンダーオイル、あちこちのラベンダー園や売店にお土産の定番として置いてありますが、唯一蒸留過程を公開して製造しているのは「ファーム富田」のみです。他で置かれているラベンダーオイルは輸入物の可能性が高いといえます(だから悪いというわけではありませんが)。
そもそも富良野でのラベンダー栽培の目的は、このエッセンシャルオイルを採ることにありました。富良野各地に蒸留場があり、収穫の季節にはフル稼働で、辺り一帯強烈なにおいが漂っていたそうです。
そんな生産農家の一人だった富田さんでは「蒸留の舎(いえ)」で収穫したラベンダーの蒸留工程を見学することができます。
日本で唯一の蒸留施設をうたったパンフレットもありますが、正確には正しくありません。上富良野町でも観光協会が細々と蒸留を続けて販売もしています。ただし観光協会では年に一度、花の咲き終えたカスカスのラベンダーを使っているためあまり品質がいいとはいえないようです。
富良野のラベンダーがその役割を終えたのが輸入香料・合成香料の台頭であったことを考えると、国産、富良野産の天然香料というのは非常に価値のあるものと思われます。安全性や品質の問われる昨今、本物が再び評価されることを願ってやみません。
このエッセンシャルオイルの蒸留過程で得られる副産物がラベンダー水。ラベンダーの香りというより若草の香りという感じですが、入浴剤や化粧水として使われます。保存料を添加しない場合はナマものと同じ扱いで冷蔵庫で保存し、なるべく早く使い切る必要があります。オイルを製造しているところでしか手に入らず、入手できるのはファーム富田とかみふらの十勝岳観光協会ですが、鮮度は断然ファーム富田の方がいいです(観光協会は枯草のにおい)。
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